冒険貸借【損害保険用語】

冒険貸借ぼうけんたいしゃくとは

貿易資金の貸借の一種で、借主である船主または荷主は、航海が無事に遂行された時には「借金を多額の利息を付けて返済しなければならない」のですが、仮に船舶が航海の途中海難に遭って全損となった時は、「元利の返済義務を免れる」という契約

別名「海上貸借」とも呼ばれ、利息は一航海について22~34%と非常に高額だったそうです。

海上保険契約の起源と言われている冒険貸借は、ヨーロッパのギリシャ、ローマを経て中世のイタリアにおいて盛んに行われていたと伝えられています。

これは、現在別々に行われている担保付金銭消費貸借契約と、この担保物件を保険の目的とする保険契約の2つの機能を包含したものであり、資金の供給者は銀行の立場と保険会社の立場を兼ねているという事だったと思います。

しかし、1230年頃に「徴利(利息)は罪悪である」とする教会法のもとに、ローマ法王グレゴリウス9世の「徴利禁止令」が発布されて、冒険貸借も禁止されるようになりました。

この冒険貸借は、日本にも御朱印船時代(16世紀末から17世紀初頭にかけて)に導入されて、抛銀(なげがね)と呼ばれていたのです。