火災保険における明記物件とは?

火災保険の加入時において、「明記物件」という言葉が出てくることがあります。この明記物件とはどんな意味を指しているのでしょうか?・・そんな疑問にお答えしたいと思います。

明記物件とは?

明記物件とは、家財の火災保険契約において、保険証券や契約申込書に明記しなければ保険の対象とならない物件の事を、明記物件と言います。

火災保険の保険の対象は、建物と家財に分かれていて、建物の火災保険に加入していても、それとは別に家財を保険の対象とした契約をする必要があります。

※ただし、畳など建物の火災保険で約款に記載があれば支払対象となる動産も一部存在します。

家財を保険の対象にする場合、保険証券に明記しない限り、保険の対象とならないと考えた方が良いと思います。

損害保険算出機構の「火災保険標準約款」の4条(3)には、以下の様に規定されています。

次に揚げる物は、保険証券に明記されていない場合は、保険の対象に含まれません。

  1. 貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董、彫刻物その他の美術品で、1個または1組の価額が30万円を超えるもの
  2. 稿本、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに類する物

明記物件の趣旨については、2017年に有斐閣から発売された「ポイントレクチャー保険法 第2版」が参考になっていて、この書籍の96ページには以下の様な文面があります。

貴金属や書画、骨董品などは、道徳的危険が生じやすかったり、高価品であり客観的な価値を算定することが困難であることなどから、火災保険契約締結時の書面に明記する必要がある。これは、契約当事者で保険の目的物としたかどうかの紛争が生ずる恐れがあるからである。

と説明がされています。

つまり、火災事故後に当該動産を保険の対象に含むかどうかを、事前に明記しておくことで、後のトラブル防いだり、事前に明確にしておくことができるからです。

ただし、東京海上日動火災保険の約款では、明記物件制度が廃止されていて、貴金属・宝石等については、1事故あたり損害額100万円まで自動的に保険の対象になり(保険金額の増額も可)、稿本・設計書等については、そもそも引受をしないものとしています。

一部の損保会社で明記物件制度が廃止されている理由

一部の保険会社で、明記物件制度が無くなった理由を考えると、以下の様な大きく2つの理由が考えられます。

  1. 明記物件制度では、保険契約締結後にいちいち、高額貴金属等の申告を行う必要がある
  2. 骨董品等の評価額がハッキリしない場合等では、無責となる可能性があるので、被保険者の負担が重くて分かりにくい

主に上記の理由が考えられます。

もし、加入しようとしている火災保険で明記物件の申告が必要な場合は、かならず明記しておく事をオススメします。

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