新価保険と時価保険

火災保険における新価保険とは、保険価額の算定を再調達価格で行う契約の事です。

これに対し、時価保険は保険価額の算定を時価で行う契約の事です。

今回は、この新価保険と時価保険について解説してみたいと思います。

火災保険における新価保険と時価保険の考え方

保険価額とは、保険法上、「保険の目的物の価額」の事を意味します。

火災保険でいえば、保険を掛けている自宅建物や物置の事で、「価額」とは評価額の事を指します。

例えば「新築で4000万円の自宅は、新築時は4000万円の保険価額(評価額)を有している」といえます。

そもそも損害保険の本質は、損害てん補(損害額と同じ金額を補償する事)にあるので、損害保険契約において、損害てん補額を超える保険給付は行われません。

つまり、損害てん補額の上限=保険価額(評価額)という事になります。

損害保険契約において、保険価額は当事者間の合意で定める保険金額と共に保険給付の上限額となります。

家計分野の火災保険では、保険価額には、新価保険と時価保険の2種類があります。

時価保険とは、名称のとおり火災で建物等が燃えた場所における時価額ですが、新価保険とは再調達価額の事をいいます。

再調達価額は、損害保険料率算出機構の約款に、「保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築または再取得するのに要する額をいいます。」と定義されています。

保険法の18条には、「てん補損害額は、その損害が生じたおよびにおける価額によって算定する」と規定されているので、保険事故による損害発生時の時価により算定するのが原則になっています。

しかし、火災保険では、建物の老朽化によって保険価額(時価評価)がどんどん下がるので、もし全焼した場合でも全焼時の時価額でしか保険給付を受け取る事ができず、火災保険を掛けている意味が無くなってしまう状況になります。

特に戸建ての場合、その耐用年数が軽量鉄骨プレハブ造(骨格材の肉厚3mm以下)は19年、木造は22年、軽量鉄骨プレハブ造(肉厚3mm超4mm以下)は27年とされています。

もし30年ほど経過した木造家屋が全焼した場合、建物について保険給付は支払われないことにもなりかねません。

そのため、保険価額を再調達価額によって算定する契約の必要があり、これを新価保険と呼びます。

なお、保険価額を新価保険としても、保険金額も保険給付の上限額の規制として残るので、こちらも「保険金額=新価保険額」とする必要があります。

上記の問題について、損保ジャパンの「契約のしおり」には特に注意するべき事として、以下の様な文章が明記されています。

  • 保険の対象の価額いっぱいに保険金額を設定しなかった場合、事故の際、損害額に対して保険金が不足するときがあります。
  • 保険の対象の価額を超えてご契約されても、その超過分は無駄になります。

大切な事は、火災保険において保険の対象物の価額いっぱいに保険金額を設定しておく事です。

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