前回の「あなたにとって保険は必要?」では、保険の加入に迷っている方に、本当に保険に加入すべきかどうかの目安の考え方を述べた。

そこでは、十分に蓄えがあれば今すぐ保険に加入する必要はないが、蓄えがあったとしても、節税対策で保険を活用できるケースもある事を書いた。

今回は、具体的に保険に加入した際に毎月どのくらいの保険料が良いのかを知りたい方にご覧頂きたい。

保険料の相場と平均値は?

アベノミクスによってデフレ脱却のトレンドになっているとはいえ、まだまだ家計が苦しい世帯は少なくない。

保険料金も、今までのプランよりもより安い掛け金のプランへ変更する人も多いのが現状になっている。

保険相談の際に多い質問のひとつに「保険料は幾ら位が良いのか?」という相談が良くある。

例えば「20代の独身だと、幾ら位が保険料の相場ですか?」とか、「30代で妻子がいる場合はどのくらいのプランに入るのが良いでしょうか?」という質問を頂く事が多い。

この様なご相談を頂く場合、その人はもし今支払っている保険料が平均より高ければ、今よりも安いプランに変更しようと考えている場合が多い。

しかし、この考え方は必ずしも正しいことではない場合があるからやっかいだ。

これらの質問は、「20代の独身が乗る自動車の価格の平均は?」とか、「30代既婚者のお小遣いの平均額は幾ら?」等と同じような質問であり、それを知った所で自分自身の最適な保険プランと支払額が見いだせるわけではない。

保険料の相場というのも、掛け捨ての保険プランに加入している人もいれば、貯蓄型や老後資金の為の保険に加入している人もいるわけで、保険のかけ方や種類、負担額も千差万別なのである。

ちなみに全国の統計データによると、保険料の一世帯あたりの払い込み料は、年間30万円から50万円の間が平均値(個人年金保険を含む)である。

世帯毎の年代別の年間保険払い込み料

引用:生命保険文化センター

年代によって保険料の払い込み額は違うが、平均値は月額2万5000円から4万円の範囲が一般的となっている。

目安は可処分所得の1割を保険料に

同じ保険の種類で年齢や性別も類似している場合なら、保険会社からそれぞれ見積もりをとって比較する事は比較的容易にできると思う。

しかし、保険料の相場という事に関しては一概な事は言えない。

一つだけはっきりしている事は、「世帯の収入」によってある程度の目安はある。収入の多い少ないによって保険料を決めるのはひとつの物差しとなる。

物差しといっても、ハッキリとした標準的な基準が定められているわけでなく、それぞれの保険の営業マンによっても目安や物差しが違ってくる。

私の経験則になるが、私個人の感覚では毎月の保険料の料金は、手取りの6%から10%が妥当と考えている。

この基準は掛け捨ての生命保険のみの事で、学資保険や年金保険のような将来への貯蓄目的となる保険商品に関しては含んでいない。

例えば手取りが30万円ある世帯であれば、月額の保険料は高くても約3万円とする事を推奨したい。20万なら2万、逆に50万なら5万円あっても良いと思う。

私の経験では、手取りの10%を超える保険料を払っている世帯では家計が圧迫されていると感じている世帯が多い。

これは理論的に考えれば分かる。一般的な家庭の支出の中には、食費、水道光熱費、住居費等の毎月必ず掛かる固定費が家計支出の50%から70%を占めている場合が多い。

こうなると、残りの3割から5割の中から保険料や貯金、習い事、お小遣い、学費を支払う必要がある。

そうなると、家計に余裕があまりなくなってしまい、洋服代やお小遣いを減らしたりするケースが出てくる。

こんなケースは、掛け捨て型の保険料が手取り収入の1割以上支払っている世帯に多いのだ。

下のデータを見てほしい。このデータは、保険に加入している世帯が1年間に払っている保険料が年収の何パーセントを占めているかのデータの平均値。

加入世帯における年間払込保険料の世帯年収に占める割合

引用:生命保険文化センター

平成27年では7パーセントから7.4パーセントとなっている。500万円の年収なら35万円位を保険料として負担しているという事になる。

このデータからも、私がさきほど申し上げた「手取りの1割を上限として保険料を考える事」が妥当な判断の論拠といえるだろう。

この様なデータを基本に考えると、もし年収が1000万円ある世帯なら年間70万円位の保険料が妥当となるが、年収が高くなればなるほど保険料と年収の比率が小さくなってくる。

年収が1000万の世帯は平均で約62万円という統計データがある。パーセントだと6.2%となり、先ほどの7パーセントよりは低くなっている。

さらに高い年収の世帯だと、もっとパーセンテージは下がるだろう。年収が増えると、貯蓄も増えるので、保険でカバーすべき範囲が小さくて済むからだ。

逆に年収が少ない世帯ほど家計に占める保険料の割合が大きくなるので、「どの様な保険に加入するか、または今のプランを見直すか」は非常に重要な問題になってくるだろう。

保険を掛けすぎない為に

もし、保険料が手取り収入の10%を超えている場合、かならず考えてほしいことがある。月額保険料と貯蓄額の比率だ。

このバランスを見たとき、月額保険料よりも貯蓄額が少ないケースなら是非保険の見直しをすべきだと思う。

なぜなら、保険というのは貯蓄ではカバーしきれない程の大きな出費となる「不測の事態」に供えて活用するべきものだからだ。

経済的な蓄えが十分にある人には、保険は無くても大丈夫なものであるが、逆に蓄えが少ない人ほど保険を活用するのが最も有効な手段となる。

要するに、貯蓄に回す金額よりも保険料の方が多い状況はどう考えても悪い状況なのだ。

保険のセールをしている人から、「他の同世代の人はこれくらいのプランは当たり前ですよ。」と言われるがままに高額な保険プランに加入している人は意外と多い。

そして毎月の支払いに四苦八苦している人を見ていると、「早く保険を見直すべき」と言いたい。

家計の収支から負担が可能な保険料が限られている以上、保険プランの中で何を優先すべきかを明確にする必要がある。

保険料の支払いで、毎月の家計が苦しくなるのは本末転倒。保険料の相場や平均値はあくまで参考程度にすべきで、他人の保険プランは気にせずに自分自身に合った合理的な保険プランを考えてほしい。

自分自身である程度の保険の知識を身につけ、自分自身でひとつひとつ判断していけば必ず最適な保険プランを見いだすことが出来ると思う。

保険を掛けすぎないコツは、保険の知識を身につける意外にない。

まとめ

今回の話では、以下の事を知って頂けたと思う。

  • 保険料の年間支払額は、1世帯あたり30万円から50万円の範囲が多い
  • 保険料の支払いは、手取額の1割を上限の目安に
  • 保険に加入する時、今のプランを見直す時も、保険に関する多少の知識を知っておいた方が良い

次回は、生命保険と損害保険の違いに関する事を書いてみたいと思う。

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