事業中断による休業損失

事業者が火災による物的損害などの直接損害のほかに、事業中断による休業損失などの間接損害についても保険の対象にしたい場合、どんな保険商品があるのかを解説させて頂きます。

事業者の休業損失を補償する主な保険商品

事業者の休業損失を補償する主な保険商品としては、「利益保険」、「店舗休業保険」、「家賃保険」、「企業費用・利益総合保険」、「食中毒利益担保特約」、「機械利益保険」の6種類があります。

下記にそれぞれの特徴をご紹介します。

利益保険(種目:火災)

利益保険は、主に以下の2つのケースで保険金が支払われます。

①火災、落雷、破裂又は爆発による事故で、保険の対象に損害が生じ、

②上記の損害を受けた結果、営業活動(販売や生産)が全面的又は部分的に休止又は阻害されたために損失(喪失利益及び収益減少防止費用)が生じた場合に、保険金が支払われます。

取引先(部品等の供給者や製品の販売先)の罹災により生じた逸失利益についても、構外(敷地外物件)利益担保特約の付帯によって補償が可能です。

付保の対象とする費目は営業利益と全経常費で、1年間の予想金額を保険金額とするのが原則です。

営業利益のみ、あるいは経常費のうち、人件費のみの一部とすることも可能ですが、当年度の増収要素などを十分想定する事が必要です。

契約方式には、保険金をいつまで支払うのかという期間をもとに契約する方式(約定てん補期間方式、期間は1ヶ月単位で最長12ヶ月までの中から選択する)と、保険金を損害額の何割まで支払うかという割合をもとに契約する方式(約定付保割合方式、割合は10%単位で最高100%までの中から選択する)の2種類があります。

支払保険金の算定のやり方

支払保険の算定は、(①喪失利益+②収益減少防止費用)×③付保率で算定します。

喪失利益=(収益減少額×利益率)-支出を免れた付保経常費

収益減少防止費用=収益減少防止に要した費用×{付保項目の合計額÷(営業利益+経常費付保率)}

付保率

  • 約定てん補方式の場合=保険金額÷保険価額(損失発生直前12ヶ月の営業収益×利益率)
  • 約定付保割合方式の場合=保険金額÷保険価額(損失発生直前12ヶ月の営業収益×利益率)×約定割合

店舗休業保険(種目:火災)

店舗総合保険の補償対象事故及び食中毒事故による休業における1日あたりの粗利益(売上高から商品仕入高及び原材料費を控除した額)に、約定復旧期間(契約時に1ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の中から設定する)内の休業日数を乗じた金額を補償するものです。

保険契約者は、粗利益が1日あたり200万円までの中小規模の事業者や店舗です。

構外物件の事故やユーティリティ設備(電力、ガス、水道、通信などの設備)の中断事故による営業休止についても補償の対象になります。

家賃保険(種目:火災)

一定の事故により賃貸物件に損害が生じた結果、失われる家賃収入の損害を補償するもので、貸家・アパート・マンションなどの経営者(貸主)向けの保険です。

保険金額は、家賃月額に契約時に設定した保険金支払対象期間月数を乗した額で算定されます。

企業費用・利益総合保険(種目:火災)

利益保険の補償対象をより広げ、水災をはじめ免責事由に規定されている事故以外の事故による休業損失を補償するオールリスク型の保険です。

ユーティリティ設備の中断事故による営業休止についても補償の対象になります。

食中毒利益担保特約(種目:賠償適任)

ホテル、旅館、飲食店等において食中毒の発生や、発生の疑いがある場合の行政機関による営業停止処置等により、営業が休止又は阻害されたために生じる休業損失を補償するものです。

機械利益保険(種目:機械)

事業者の機械設備装置を保険の対象とする機械保険で、補償される事故によって損害を生じた結果、発生する休業損失が補償されます。

保険の対象とする機械設備には、機械保険の付保をする事は必要とされていません。

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