【事業者(企業)向けの火災保険】は、こんな種類があります!

一般住宅や小規模事業者向けの火災保険においては、多数で均一なリスクを対象としているケースが多いので、保険内容もほぼ均一的な扱いにする事が可能ですが、それなりの規模の企業になると、個々の契約毎のリスクの幅が大きくなり、均一的な扱いが困難になります。

企業分野の火災保険は、火災保険普通保険約款を基本として、そこに様々な特約を付ける事によって、それぞれの契約内容に応じた修正を行う必要があるので、柔軟な取り扱いが行われています。

企業向けの普通火災保険

企業向けの普通火災保険としては、適用する物件毎に、「一般物件用」、「工場物件用」、「倉庫物件用」の3種類の火災保険普通保険約款が規定されています。

一般物件用

住宅火災保険と補償内容はほぼ同じですが、以下の様な特徴があります。

  1. 建物を保険の対象とする場合でも、門、垣、塀、付属建物については、明記しないと保険の対象に含まれない
  2. 比例払いによって損害保険金が支払われる
  3. 風、雹、雪災について、例えば海の家やプレハブ小屋の様な仮設建物やゴルフネット、屋外にある商品等に生じた損害は補償の対象にならない

工場物件用

上記の一般物件用とは以下の点で違いがあります。

  1. 風、雹、雪災の除外物件が一部異なる
  2. 盗難を除いた雑危険による損害を補償する

倉庫物件用

他の物件用と比べて、補償される危険は火災、破裂・爆発、落雷のみで、さらに補償される費用は、臨時費用及び残存物取片付け費用のみで、補償される内容に制限があります。

※ただし、損害防止費用や権利保全行使費用等については、他の物件用と同様に支払われます。

この倉庫物件用の保険は、倉庫業者の営業用倉庫建物や、その保管貨物が一般的なので、保管貨物については荷主が倉庫業者に貨物を預ける時の寄託契約の約款に基づくので、この倉庫物件用の約款では自然災害による損害は免責となっているので、補償内容の制限があるわけです。

ただし、倉庫業者の中でもトランクルームの場合には、トランクルームサービス約款に基づいた寄託契約が行われるので、通常の倉庫寄託契約約款とは違い、水濡れやネズミの食害等の損害についても補償の対象になります。

契約形態について

例えば広大な敷地内にいくつもの建物が存在しているような場合には、これらの複数の保険の対象を1つに包括して、特殊包括契約に関する特約が付帯される事もあります。

さらに、商品、原料、製品等、変動する在庫品を対象として合理的に火災保険を付保する為に、火災通知保険(デクラとも呼ばれる)が利用される事もあります。

特殊包括契約

本来は、保険契約を締結する時には、保険の対象を特定して、当該対象の価値に応じた保険金額を建物ごとに設定するのが一般的なルールになっています。

しかし、広大な敷地内に複数の建物がある場合には、事務処理がとても煩雑になり、敷地内において建物のスクラップアンドビルドが常に行われる事もあるので、付保漏れのリスクが高くなってしまいます。

そこで、この様に対象が大規模になる場合には、これらの対象を包括して1つの契約として、特殊保険契約に関する特約が付帯される事があります。

具体的には、1つの敷地内を対象とするブランケット契約(特殊包括契約)や、複数の敷地内を多少としたマルチロケーション契約(複数敷地内特殊包括契約)と呼ばれるものがあります。

火災通知保険(デクラレーション)

火災通知保険は、商品・製品・原料など、変動する在庫品を対象として、合理的に火災保険を付保する為に考えられた契約方式の特約になります。

火災通知保険の特徴としては以下の2点です。

  1. 保険金額を定める代わりに、支払保険金制限額を設定し、制限額を限度として実損を支払う
  2. 契約時に制限額に応じた暫定保険料(年間保険料の75%)を領収し、契約終了時に通知された在庫価額に基づく確定保険料との差額を精算する事によって、合理的な保険料負担が可能

火災通知保険の契約方法には、基本方式の他にも色んな方式があります。

基本方式は制限額が1構内5000万円以上の場合に利用できます。

通知方法は、日報・週報・旬報・半月報・月報から選択します。

なお、期の途中で在庫価額が制限額を超える時は、「制限額を増額する」か、「増加金額について別途の短期契約をする」事も可能になっています。

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