契約後の住宅火災

例えば、「保険期間終了直前に500メートル先で発生した火災が飛び火して、保険期間終了後に自宅まで延焼して火災が発生した場合、火災保険の補償対象になるのかどうか?」をテーマに解説させて頂きます。

保険期間中に発生した火災ですが、その時点では自宅に被害は全くなかったのに、数日後に保険期間の終了を迎えた後に実害があった場合は補償されるかどうかがポイントになります。

保険期間終了後は保険責任は発生しない

保険責任は、そもそも保険期間中に保険事故が生じることで発生する責任です。

では、どの時点で保険事故が発生したと判断すれば良いのか?

それは今回のテーマのように、火元が遠く、延焼によって保険の目的物が出火し、鎮火するまでに時間的な間隔があるため、保険期間の始期・終期を跨ぐ(またぐ)事例で問題になります。

※当然ですが、全ての事象が保険期間内であれば、保険事故の発生時期は問題にはなりません。

過去の判例を参考にした場合、約款上の規定の中では必ずしも明らかになっていませんが、「保険事故は保険の目的物に直接生じなければならない」と解釈されています。

したがって、保険の目的物が出火した時点で保険事故の発生を認めるのが原則となります。

そうすると、500m先で発生した火災は、保険事故とは無関係であり、保険の目的物に延焼が及ぶまで保険事故は発生しないことになります。

しかし、大火と呼ばれるような火災では、500m先の火災であっても必ず保険の目的物まで延焼するものがあります。

そこで例外的に、保険の目的物が出火していなくても、延焼が不可避である時点で保険事故の発生を認めるべきかどうかという観点で評価するべきという考え方も成り立ちます。

この点に関しては、「保険事故は保険の目的物に直接生じなければいけない」という原則を維持するのであれば、延焼が不可避であっても保険の目的物に火災は生じていない以上、保険事故の発生を認めることはできないと解釈されることになります。

この様に解釈すると、今回のテーマである【遠くで火災が発生したのは保険期間中だけど、保険期間の終了直後に保険対象物まで火災が発生した場合はどうなのか?】の答えは、保険期間中には事故が発生していないことになるので、保険責任は発生しないという結論になります。

このようなリスクを回避するためには

上記の様な事を、被保険者が回避しようとすれば、保険期間に空白がないように更新手続きを行う事を心がける必要があります。

ただし、更新手続きによっては保険金額や保険価額が変更になる可能性があります。

また、更新時に保険会社を変更している場合は、新旧どちらの保険会社が保険責任を負担するかが決まるので、問題になるケースは現実に存在しているようです。

※なお、保険期間中に保険事故が発生したことは、請求原因事実として保険金請求権の発生を主張する者である被保険者が主張立証責任を負担する事になっています。

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